ガラス屋の日常⑫|窓ガラスのパッキン交換、実はガラスを外します
お客様から時々いただくご相談のひとつに、「窓ガラスのゴムだけ交換できますか?」というものがあります。
「古いゴムを外して、新しいゴムを入れるだけでしょ?」と思われることもありますが、実は窓ガラスのパッキン交換は想像以上に手間のかかる作業です。
今回は、窓ガラスのパッキン交換、いわゆるグレチャン交換がどのような作業なのかをご紹介します。

窓ガラスのまわりに付いているゴム状の部材は、一般的に「パッキン」と呼ばれていますが、ガラス業界ではグレチャン、またはグレージングチャンネルと呼ばれています。
実は一度ガラスを外します
一般的な住宅サッシの場合、グレチャンはガラスの周囲に巻き付けられた状態で、サッシ枠の中に組み込まれています。
そのため、グレチャンだけを外から簡単に交換することはできません。

まず窓を外し、サッシ枠を分解してガラスを取り出します。
その後、古いグレチャンを取り外し、新しいグレチャンをガラスに巻き直してから、再度サッシ枠を組み立てます。
つまり、ガラス交換とほぼ同じ作業を行い、ガラスだけ既存品を再利用するイメージです。
そのため、「ゴムだけ交換だからすぐ終わる」「ゴムだけだから安くできる」という作業ではありません。
グレチャンには膨大な種類があります
さらに難しいのが部材選びです。
グレチャンはどれでも使えるわけではありません。ガラスの厚みやサッシのガラス溝幅によって、使用する製品が変わります。
例えば、3mmガラス用、5mmガラス用、網入りガラス用などがあり、さらにサッシメーカーや年代によっても仕様が異なります。
実際に取り外したグレチャンには、「YKK U 3・4/9」などの刻印が入っていることがあります。
これは、YKK製の3〜4mmガラス兼用で、9mm開口のサッシ用という意味です。
見た目は似ていても、寸法が違えば正しくガラスを固定できません。
色を完全に合わせるのは意外と大変
グレチャンには、ブラック、ブラウン、グレー、ホワイトなど様々な色があります。
しかし、同じ黒っぽく見えても、メーカーによって微妙に色味が異なります。
色まで完全に合わせようとすると、メーカー発注が必要になることもあります。
しかもグレチャンは150m巻などの大ロット販売が多く、部材費だけでも高額になる場合があります。
そのため当店では、一般住宅の場合はYKKブラウン色をおすすめしています。見た目は黒に近い色味です。
交換できないタイプもあります
実は、すべての窓でグレチャン交換ができるわけではありません。
マンションや市営住宅などに使われるビル用サッシは、特殊な部材を使用していることがあり、現在では入手できないケースもあります。
また、押しビードと呼ばれる部材でガラスを固定しているタイプもあります。
押しビードはサッシとのセット部品であることが多く、単品入手が難しいため、状態によってはコーキングで補修対応する場合があります。
パッキン交換は現地確認が必要です
窓ガラスのパッキン交換は、一見すると簡単そうに見える作業です。
しかし実際には、サッシの構造やガラスの厚み、使用されている部材を確認しながら作業を行う必要があります。
さらに、交換できるタイプかどうかの判断も必要です。
そのため、電話だけで正確なお見積もりや対応可否を判断することは難しく、基本的には現地確認後のお見積もりとなります。
「窓ガラスのゴムが縮んでいる」「隙間がある」「雨漏りする」「ガラスがガタガタする」などのお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
ちなみに先日も、雨漏りの原因となっていたグレチャンの交換を行いました。
実際の施工写真はこちらの施工事例でご紹介しています。
